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逆転有罪(ペルジア殺人事件) 

先月、アマンダ・ノックスの事件(イタリアのペルージアで2007年に起きた殺人事件)の差し戻し再審の判決直前に、これまでの事件のあらましとその後を報告したが、その時点での予想は(私も含めて)無罪の確認だと思っていた。ところが、ペルージアから、フィレンツェに裁判所を変えた判決は、再逆転有罪という判決で、大きな衝撃を各地に与えた。

最も大きな衝撃は、ペルージアに留学し、殺人犯とされたアマンダ・ノックスであろう。最初の裁判で25年の刑期を宣告され、服役後、4年経った2011年の控訴裁で、無罪を勝ち取り、両親のいる米国のシアトルに戻り、学業を続けていたアマンダは、2013年3月に、検事側上告の報を得たのだった。裁判と弁護士費用を捻出するため、と言われながら、各報道TVのインタビューに応じ、自分の立場から無実を訴える本(“Waiting To Be Heard”) を出版したアマンダにとっては、悪夢の再来と思えただろう。そして、今年1月末の「有罪判決」。判決直後のインタビューでは、アマンダは、絶対イタリアには足を入れたくないと述べた。事件当時アマンダのボーイフレンドで共犯とされたイタリア人のラファエレ・ソレチート氏は、抵抗もせず、パスポートを官憲に預けた。彼の父親は、アマンダとラファエレは共に冤罪である、との立場である。abc_amanda_knox_jef_ssm_140131_wmain[1]
ABCニュースから

ただ、今回と前回の大きな差は、「犯行動機」が違っていたことがある。第一審では、セックス・ゲームが嵩じて、という若い世代の無謀な乱痴気暴行(オカルト的)の結果と断罪されたが、第二審では、DNA鑑定の仕方が国際基準を大きく外れた警察、検察側の犯罪調査のミスの為、犯行の証拠とは認められないとして、アマンダもラファエレも無罪となった。今回は、何故か、殺されたメレディス・カーチャ-とアマンダの間で、台所やバスルームの掃除管理について、言い争いがあった、というのが、犯行の理由とされた。「証拠」自体が精度を高めた、ということでは無い。あの二審裁判で、イタリアの司法制度は何を学んだのか、或いは学ばなかったのか?

この殺人事件の取り扱いで、昨年の検事側上告から今年に掛けて際立っていたのは、イタリアの司法手続き、物的証拠の扱いかた等、判断の基礎が、アメリカ側の見方或いは、欧州の他国からしても、非科学的、恣意的、古風な慣習(昔の魔女裁判)とするマスコミ論調が多くあったことである。又、当初から殺害現場でのDNA(実際には、犯行現場の部屋から採れたDNAは、すべてグイド氏のものであり、被害者の体内から採集された体液もグイド氏と一致することは、証明されていたと報道されている)から、殺人犯の最重要人物であったルーディ・グイドは、当初30年の実刑判決を受けながら、警察への「協力」と司法取引とで、16年に減刑され、服役中であるが、もうすぐ、仮保釈にもなりそうだといわれている。(アマンダとラファエレは、共に、グイドの単独犯行説を主張してきた。グイド氏は、単独犯行ではなく、アマンダとメレディスが争っている声を聞いたと主張。その主張が司法取引に使われた。だが、グイド証言を支える証人は2人とも服役中の麻薬中毒者であったと報道された。)

仮にイタリアが、有罪を盾に、アマンダの身柄引き渡しを米国政府に請求した場合どうなるのだろうか?米国であれば、(また多くのローマ法典を基礎に置いてきた国では、日本も含めて)一事不再理(Double Jeopardy)と解釈されるのであるが。 当初は、殺されたのが英国人であった為、殺された彼女への哀悼もあって、米人のアマンダには批判的な記事も多くあったが、ここ2年程は、英ガーディアン紙の記者も、アマンダ無実を信じているような記事が見受けられる。また、捜査科学の分野も日々進んでいる。情報が正確であれば、いずれは、真実は明らかになることを信じたいが。アマンダ、ラファエレは両者とも上告に賭けている。現在の処、裁判所は、有罪とはしたものの、正式判決文を提出していない。(3月上旬が期限であるが。)

外国に留学することは、今では珍しくもない。日本からNYに来ている若者は大勢いる。だが、ある場所、ある空間で、歯車が狂うこともあるのだ、という一つのケースとして、今後もこの件は見続けていきたい。当時20才だったアマンダは、26才。今も美形は変わらない。

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