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成功を収める人々に睡眠は必要か  

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という題名を見て、何をバカな、というのが私の最初の反応だった。今まで、どの国、どの文明・宗教を問わず、全く睡眠を取らずに何かを成し遂げた、(専制君王の嗜虐的暴力下以外で)という記録を見たことが無い、というのが大方の感想だろうから、というのがある(或る時の植村直巳さんは別として)。

睡眠が必要かどうかよりも、あなたは睡眠を充分取っているか、という設問の方が今まで眼にした形だったと思う。今年1月にも、(アメリカ人の好きな、「貴方に取って大事な◯項目」のような形で ― ◯には数字が入る)睡眠不足を自覚する為の7項目という記事が健康生活Healthy Living誌に掲載され、ケーティ・ウォールディック記者が書いている。それによれば、アメリカ人の3人に1人は、睡眠不足に悩んでいる、という。睡眠不足は以下7項目の「驚くべき結果」をきたしていると、読者に語りかけ、あなたの睡眠時間はどれくらいですか?コメントを載せて下さい、と結んでいる。現在のところ、コメントは無い模様。この7項目のチェックポイントは、
1. 泣きたくなる-夜を徹して外出から戻った時、ワッと泣きたくなるだろうか?UCバークレーの研究員によれば、徹夜すると(睡眠不足で)、理性を失い、感情をコントロール出来なくなる、という。良く眠れた次の日には、夜を徹して見たテレビ・ドラマのヒロインが、友達と起こしたイザコザは、それほど酷い事件ではなかったと気がつく。(女性向き?)

2. 集中力がなくなる-飛行機墜落や、重油流出など、最近の重大事件の幾分かは睡眠不足が原因だといわれる。同じように、ある研究によれば、医学実習生が夜間勤務をしている場合、患者のテスト結果を誤診する確率が倍になるという。我々の人生で他人の生命を預かるという機会は(自動車運転中以外では)毎日あるわけでは無いが、睡眠不足は、時として、致命的な結果を生む。眠たいという感覚は能の集中機能に影響を与え、正確な判断力を鈍らせる。

3. いつも気分が悪い-この冬は、家族皆が、風邪を引くことなく終わったが、あなただけは、サンクスギビング・デイから鼻風邪が抜けない。何故か?睡眠記録を取ってみよう。もし充分な睡眠を取っていない場合は、身体の抵抗力が弱っているため、ウィルスとかバクテリアの攻撃に負けているかもしれない。そうした時は、菌に容易く影響を受けるだけでなく、治癒力も衰えているのだ。

4. お腹がすかない、もしくは、いつも空腹である。-皆それぞれ睡眠不足の症状はちがっている。どちらも不健康だ。睡眠不足は、体内時計を狂わせる。ホルモンもバランスを崩す。ある人は、飢餓感が強くなり、またある人は逆に空腹感が感じられなくなる。

5. 皮膚が乾燥する-睡眠中は、我々の身体が自分で治癒する時間である。新しい皮膚も生み出す。必須のヴィタミン、水分、栄養素なども修復しようとする。睡眠不足では肌も乾燥しがちになる。

6. 手元が狂う-今朝コーヒーを新聞の上にぶちまけた?睡眠不足で、いつものように機敏にふるまえなくなることがある。ドジだからではない、睡眠不足だったからかも!

7. 忘れっぽくなる-朝ごはんに何を食べたか思い出せない?眼を瞑って長いこと考えないと。充分な睡眠で能が活発になり、メガネをどこに置いたかなどということも思い出せるようになる。睡眠不足で、テストや試験の結果が悪くなることは大いにあるのだ。

まぁ言ってしまえば、今まで必ずどこかで眼にした議論だろう。上記に加えて、土曜のパーティで、気の利いたジョークとか、パンチ・ラインが思うようにでてこない、とか、長期の運転には気を付けろ、といったことも含めて、睡眠不足の解決を勧めてきたものだ。

ところが、である。6月19日版のウォール・ストリート・ジャーナルに載ったのは、真逆の話。
タイトルは、成功者に睡眠は必要か?執筆者は、エリック・エプスタイン氏。 
氏によれば――
 米初代大統領ジョージ・ワシントンと独立戦争での勝利。米国の詩人ロバート・フロストと「Stopping by Woods on a Snowy Evening」(「雪の夕べ森のそばにたたずんで」)の創作。ビル・ゲイツ氏とマイクロソフトの創設。スティーブ・ウォズニアック氏とカラーコンピューターモニターの発明。トム・ステムバーグ氏と事務用品大手ステープルズの創設。そのどれも、米国の見事なサクセス・ストーリーだ。しかし、こうした成功話に、キャリアにおける成功を最大限にするための戦略に組み込むことができるような共通の要素はあるのだろうか。実のところ、それはある。しかし、読者の予想と大きく異なるかもしれない。それぞれの場合において、徹夜での仕事が大きな違いを生んでいるのだ。

 例えばワシントンの場合、大統領に就任する前は戦争が職業だった。そして、一晩中働くことが敵の裏をかく方法だった。英国人は技術的・組織的な優位にもかかわらず、戦いにおける正統的なアプローチをとった。つまり、定刻に広々とした土地で大きな戦闘が起こると仮定するやり方だ。一方、ワシントンは夜間に構想を練り、計画し、部隊を動かした。

 ワシントンが率いる部隊は1776年、英陸海軍にニューヨークのブルックリン北部で追い詰められた。軍の崩壊は避けられないかのように見えた。しかしある夜、ワシントンは暗闇にまぎれて自分の部隊を退け、川を渡ってマンハッタンに向かった。発見されず、1人の犠牲者を出すこともなく。

 ワシントンはその冬、ニュージャージー州トレントン近郊でのヘッセン人雇い兵(独立戦争時に英軍が雇ったドイツ兵)野営の奇襲に成功した時も、同様の作戦を採用した。これは有名な油彩画「Washington Crossing the Delaware」(「デラウェア川を渡るワシントン」)で永遠に伝えられている。ここでも、敵の不意を突き、戦いの流れを変えるために、ワシントンと彼の部隊は一睡もしなかった。

 徹夜労働は、人が眠っている時に働くというだけのことではない。創造力を要する仕事の出来栄えも改善できる。フロストの「雪の夕べ」を考えてみてほしい。徹夜した翌朝に突然、アイデアがひらめき、フロストは数分のうちに詩を書き上げた。また、ウォズニアック氏のカラーで表示できるモニターに関する場合を考えてみたい。ウォズニアック氏が説明しているように、他のプロジェクトの締め切りに間に合わせるために、連日の徹夜作業を余儀なくされるなか、極度の疲労が制約のない創造力の触媒の役割を果たした。こうした創造力のもとで硬直した意識的なコントロールがかからずにアイデアが流れ出し、コンピューター業界を変えるほどの革新につながった。

 科学的にみて、なぜ徹夜は効果があるのか。なぜこれが昇進の目的に効果的な手段なのか。世間一般の通念では睡眠は良いことで、睡眠不足は不注意なミスにつながりかねないとされている。

 実際、仕事を遂行する上で睡眠は不可欠な要素だが、徹夜も賢く取り入れれば、他とは違った役割を果たすことができる。例えば、ミシガン州立大学とミシガン州にある私立アルビオン大学の研究者らによる2011年の研究では、成人の2つのグループが、創造的な洞察を使うことが必要な難題を与えられた。最初のグループは24時間周期のリズムの「頂点」でこうした問題に取り組もうとした。他のグループは覚醒状態が低く、集中力がない時に問題を解かされた。この疲れたほうのグループが問題解決が著しく優れていて、また、他のそれほど想像力を要しない問題の解決にも同じくらいの効果を発揮した。

 この現象はどのように説明されるだろうか。われわれは十分な休養がとれている時、狭く定義された仕事に効果的に焦点を絞るため、最高レベルの認知資源を用いる傾向がある。しかし、創造力を要する仕事は、その反対のことをするよう求める場合が多い。つまり、「既存の枠組みにとらわれない」アイデア、馬鹿げているとか理論的でないとして普段なら退けてしまうようなアイデアを表現することだ。徹夜をしているときに、「既存」の枠組みが崩れ落ち、しかも有利に働く。

 創造力を必要としない、つまり単に持続的な注意や忍耐、直線的な思考が必要なプロジェクトについてはどうか。十分に休息を取って徹夜に臨めば、この種の認識上の馬力は驚くほど長時間持続可能だ。例えば、ハーバード・メディカル・スクールの2009年の研究では、30時間の睡眠不足にさらされても、言語や理論、理解に関連した様々な認識テストで、若い成人は十分休養をとった若者たちと比較して、それほど劣らないことが分かった。

 したがって、結論はというと、仕事の質もしくは量を改善することで自分のキャリアを次のレベルに進めたいのであれば、米国で長年をかけて有効性が実証されてきた徹夜を時折試みることが完璧な処方箋かもしれない。――――

さて、徹夜でキャリアを上げたいと思う若者が何人いるのか?草食系には無理?頑張るっきゃないわなぁ、というエプスタイン氏の思いが聞こえるようで。

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