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妻の甲斐性 


global-human-resources_~k5369163[1]
PIGSだ、PIIGSだ、ギリシャだイタリアだ、と、世界の金融は、地球がもろ狭いことを証明しつつあるが、その嵐の中で「我が家の家計は、こうして護っています」、と、女性の鏡のようなカリスマ主婦?が登場。日経のネット版個人投資家奮戦記(6)で「優待株で損失も生活費も抑える女性投資家」がいる、との記事が出た。(会員登録が必要)
40歳代の主婦(とはいいながら、地元で集合住宅などを経営している、というので、専業主婦とは違う)が、株の売買時に株主優待情報をよく見て、日常生活を潤す(カバーする)戦略を立てて、見事成功している、そして、彼女の家には優待・総会土産の棚があり、そこには戦利品がギッシリ、という心強い話。

この記事の最後には、銘柄別に優待内容の表がついている。表に出たのは、食事券のみであるが、彼女が持っているのは、外食産業ばかりでなく、日本株を300社ほど保有しており、株に投資した金融資産は、現在約3000万円とのこと、とか。おぉ、そうか、日本女性もこうでなきゃ、と思いながら記事を読んで、ふと、我が身を振り返った。まてよ、何故私には、戦利品のせの字も無いのだろう?これは日本と米国の違いだろうか。でも、株式会社の概念はエリザベス一世の、東インド会社から発していると高校で習った覚えがある。であれば、英国・米国にその足跡があってもいいはずだ。

それで、このカリズマ女性の戦果を横目で見ながら、株主優待について、ネットで攫ってみた。株主優待Stockholder’s Perkでググってみたところ、出てきたのはいいが、通常グーグルでは検索の多数順でトップに行くようになっているハズだが、この検索で出てきたトップ10は、日時なしか、殆どが2008年、2010年の記事で、2012年の記事は一本のみ。比べて、日本語のグーグルで、「株主優待」で検索したら、バリバリ現在情報として、あるわあるわ、この温度差は、なんだろうか?

株主優待は、2008年頃までは、アメリカ・イギリスでも盛んで、例えば10年ほど前、私の友人は、ディズニー・ランドの株を持っているので株主優待入場券を見せびらかしていた記憶がある。その当時は、このディズニー以外にも、アムハウザー・ブッシュ(バドワイザー・ビール)社が持っているブッシュ・ガーデンや、シーワールドの入場券15%割引とかもあった。又、ウォーレン・バフェット氏率いるBerkshire Hathawayなどは、GEICOの個人保険の割引をはじめ、株主総会に出席した人には、宝飾店の大型割引とか豪華ランチの大盤振る舞いで、ダントツの株主優待特典として知られていた。また、旅行業界では、英P&O(2003年にカーニバル社と合併)クルーズでは、最小100株もてば、12日かそれ以上の航海の場合、キャビン毎に£125までの船内クレジットが貰えた。100株買うには£2,000掛かるが、これは美味しい話に入るだろう。その他、英仏トンネルの割引、飛行機・ホテルの割引と、こちらも客引きに一生懸命だった時代もある。住宅建設のBellwayは、新規住宅の建築費£25,000につき£625 が割引される。だがその為には、(7/22/2010当時の)株価595pを2000株、一年以上持ち続けなければならないので、住宅を建てようという為に、数年前から決まった会社の株を買う人が何人いたのかは不明である。2011年の時点でもLaura Ashleyは1株以上の株主には店内の売値を25%引きで提供しているという。今年の記事で取り上げられたのは、Berkshire Hathaway(BRK-A,B),Carnival(CCL),Churchill Downs(CHDN), Ford(F)そして、IBMの5社。それぞれ歴史のある会社で、名門が伝統を引継で、というのだろうか。(3/1/2012)

変わったところではBen & Jerry(アイスクリーム製造販売)は、株主優待の代わりに、税引き前の利益の7.5%を、チャリティーに寄付しますと。(Money Observer記者2009年)

だが、ITが世界を変えたように、金融界も、それまでの大手証券会社を介入せず、Charles Schwabなど手数料が廉価なブローカーが増え、1980年代から24時間オープンで、ネットで個人が直接株の取引をする時代となり、今までの安定株の有り難さは、一瞬の勝負に席を明け渡しかねない状態となった。「ウォール・ストリート」という映画で、「貪欲は善であるGreed is Good.」と、マイケル・ダグラス扮する敵対買収仕掛け人ゲッコーが嘯く演説が有名になったのは1987年である。本来の株主であれば、会社も株主も共に会社の永続性については一蓮托生の絆で結ばれていたのが、一瞬での損得が当たり前になれば、株主とはいえ、永続性も、長期に亘るお付き合いもないドライな関係となるのは自然の成り行きだったろう。

また、1980年頃から株主が総会に態々出席する代わりに、総会で投票される案件を、ネットで先に意見表明出来る「代理投票Proxy」が一般になりつつあった。(HPがCompaqを買収した2002年のProxy争奪戦は、凄まじかった。当時若干の株を持っていた私のところにも連日FEDEXで届くProxy攻勢があった記憶がある。)現在では株主総会に出席するのはむしろ例外だろう。時間と旅行費用、その他のコストを掛けて出席し、お土産を貰って喜ぶ株主が何人いるのか。

また、丁度その頃、飛行機のマイレージを貯めて、旅行が出来る「お得意様優待Frequent Flyers」プランが出来、その頃から、株主とは別に、個人が自分の身銭を切って買い物をすること自体にポイントをつけて、購買力を補足する方向に向いていったように思われる。見方によれば、株主であるかどうかよりも購買額が多いか少ないかという一般的括りに社会が動いていったとも言えるだろう。これが現在のポイント・カードである。近所のスーパー、ドラッグ・ストアはもとより、大手ではAMEXのポイントは使いでを感じさせる。

そうした観点から見れば、株価は、畢竟会社の成績表に過ぎず、ある期間の成績が上がった(株価があがった)からといって、将来もずっとその株価を維持出来るかどうかの保証は全く無い。それよりも、自分の懐具合で、カードのポイントを徐々に増やすのは株の売買に比べればずっと視界に入り易いし、確実だと考える人が増えたのではないだろうか。

ところで、日本の優待株だが、今回のカリズマ女性の戦果の表を基に、本年5月18日(金)の株価を入れて、必要株数と、得られた確定利益の内容を%で出してみた。概ね株価取得に掛かる金額(最小100株、など)と得られる優待の価値を比較すると、2%内外で、多い場合は4%を超える場合もある。これは、もし今でも日本の普通預金が1%以下とかいう状態であれば、かなり有利ではないか。同じマクドナルドでも、アメリカでは株主優待がフライド・ポテトとは大違いだ。

もしかしたら、お中元、お歳暮をはじめとして、贈答習慣(しかも金銭では無い)が、こうした株主優待の背景にもあるのだろうか?それにしても、2-4%を株主優待に割くコストは大変なものだと思う。今回の場合は、個人の家計の話だが、仮に大株主の企業にも株主優待で、2-4%経費が掛かるのであればお互いに随分無駄なことをしているように思えるのだが。尤も、会社同士では、優待はお互いにしない、という協定を結んでいるのかもしれないが、ここら当たりも企業は財務内容を公開すべきではないかと思うのだが。

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