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女好きとセクハラ 

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今年の5月半ばに、IMF議長で、フランス大統領候補の呼び名も高かったドミニク・ストラウス・カーン氏が、旅行で宿泊していたNY西44丁目のホテル・ソフィテルで、メイドに裸体で襲いかかり強姦しようとしたとの理由で、逮捕された事件があった。この逮捕は、氏がホテルをチェック・アウトして娘と昼食を取り、フランスに戻る飛行機がまさにJFKを発とうとしている飛行機の中で御用となったものだった。氏は飛行場から一直線にNY市警察に護送された。

この報道に対しフランスでは、政治家の私生活は公の関知するところでは無い、という建前で、余りこうした事件が公になることは今まであまり無かったからNY発の報道に仰天した。殊にフランスが怒ったのは、まだ裁判で判決が下った訳でもないのに手錠姿のカーン氏の写真が世界中にバラ撒かれたこともある。「推定無罪」の原則はどうした、と思った人は多かった。冷静に考えれば、メイドを「強姦未遂」直後に、娘と食事をする神経を疑う向きもあったとは思う。

当初、NY検察庁は大物逮捕に自信満々、昨年着任したばかりのNY市検事総長のサイラス・バンスJr.(父親は、ジミー・カーター大統領時代の国務長官)もこの捕物に気を良くしていたとか。それにしてもホテルからの連絡と逮捕までの時間は異常に短かった。

そして、急遽フランスから飛んできた大富豪でジャーナリストの妻は、5億円以上の保釈金を直ちに積んで、足首に居場所をしらせるバンドを巻いた自宅謹慎の夫の為に、急遽家を一軒借りた。当初はNYに高級コンドを賃貸しようとしたが、どのコンドも、借り手の事情を知るや、貸すのを躊躇したという。賃貸の事実が判った途端、コンド管理会社は住民の突き上げを食らうのを恐れたと思われる。この事件で、氏はIMF議長の職を辞職し、仏大統領に立候補の可能性は限りなくゼロに近づいた。

ところが、事件後一月半経った7月の始め、NYタイムスは、氏の罪状を証明するはずの重要証人のメイドに大問題ありとして、この儘では起訴は難しいとの検察側の発表を報道。あれほど素早く逮捕したのに?

メイドはギニア出身で政治亡命を理由に米国のビザを申請した。この彼女、カーン氏との遭遇の翌日、電話を掛けた。相手は、アリゾナの刑務所で服役中の男で、400ボンドのマリファナ所有で有罪となった人。同国人なので会話は、ギニアの地方語で話をしたのだが、この会話は刑務所で記録されていた。それを検察側が押さえて、その内容が翻訳されるのに一月以上かかった、とか。内容は「この男は金になるわよ。大丈夫、うまくやるから。」というものだった。

また、調べてみれば、彼女が申告した銀行口座の他に複数の口座を持ち、服役中の男その他から、過去2年間多額の現金が振り込まれていた(犯罪リングの一味ではないか、との推測)。その他税金を誤魔化す為に子供の数を実際より多く書きこむ、検察側に申し述べた政治亡命の理由と実際の申請書が食い違う、また、ホテルの客室カードは入った部屋番号と時間が逐一記録されているが、その記録と彼女の説明とがつじつまが合わない等、次から次へ、嘘と誤魔化しが明みにでて、言う事がクルクル変わる、と判明。こうした人が証人となっても、恐らく勝ち目はないだろうと判断したという。結果、7月2日には、NY検察庁は、自宅謹慎を解除し、保釈金も払い戻すこととなった。フランスでは、だからアメリカのマスコミの勇み足だ、と言わんばかりの攻勢。NY市検察庁は尚この件で立件出来るかどうか審議中。氏のパスポートは検察庁預かりのまま。だが米国内の旅行は自由となった。

ところが、今度は、フランス本国で、過去カーン氏に仕事中強姦されそうになったという女性が名乗りを挙げた。今までは、そうした場合は、カーン氏の地位と名声とから、表立った動きは報道されなかった(今回も当初は母親が娘を諌めていた)のだが、今回のNYでの事件で、カーン氏の過去も次々暴露され、それが大新聞に載り、世界中で人々が話題に載せるとなると、もう黙ってはいない、この際と、母親も娘と一緒に立ち上がったという。

今回はどちらかと言えば典型的なセクハラ(セクハラとは権力の問題である、というのがセクハラを含む雇用関係上賠償責任保険の基盤である)事件として始まったのだが、相手が悪く恐らく金が目的だったと言われているが、或いはセクハラだとしても、今回、カーン氏が代価をケチったのか。カーン氏側は、当初から強姦ではないと主張していたが、それにしてもホテルのメイドを相手に、恋人ごっこでもあるまいに。お金持ちのボンボン並の感覚だ。しかも、今回の事件が引き金になって、従来は沈黙していた女性もフェミニスト運動で逆襲する、という展開になった。恋愛には寛容なフランスがこうだから、今後はどこでどうなるか。

人類の成り立ち当初から、男性は種の保存が本能として働くから、時には若干の遊びもというのは理解出来るにしても、女と見れば見境なく手を出す男というイメージが世界中に駆け巡る現在、男性が草食性になるのは一種の防衛本能かもしれない。長い目でみれば、女性にとっても残念な傾向だ。

とはいえ、今回はまだ長引きそうだ。メイドは新聞社を名誉毀損で訴訟。
昔の人は、こんな場合、天網恢恢疎にして漏らさず、と言って笑ったのだが。


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