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リスクと保険 

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ダウ・ジョーンズ紙は、2月9日、エリック・ホルム記者の次の記事を載せた。(訳は筆者)
原文は、こちら。http://online.wsj.com/article/BT-CO-20110208-716471.html
題して、エジプトと政治情勢と政治リスク保険の見直し。 以下全文。

―― エジプトの騒擾は世界中のビジネス界に、中近東を騒がせた暴動などのリスクから護る保険に注目を促した。ムバラク大統領の辞職を要求する民衆はカイロその他の都市に集まっている状態の中で、外国企業は、暫く操業を中止したり従業労働者を避難させている。ゼネラル・モーターと日産は自動車製造を停止。デンマークの船舶輸送A.P.メラー・マエスクは港湾を臨時休業とし、オランダのハイネッケンは数日操業停止した。

保険会社から補填を受けられるかどうかは、各会社の状況によって異なるが、シャット・ダウンのリスクは、企業保険の一部として操業停止時補償保険、或いは政治リスク保険でカバーされることがある。

マーシュのブローカーであるエヴァン・フリーリ氏は、世界の政治リスク・交易負債不払いリスク保険部長であるが、「問い合わせ電話はひっきり無しですよ。」と語った。「多くの企業がエジプトにあって、持って居る保険がこうしたリスクを引き受けているのかどうか聞いてきます。」

政治リスク保険は、暴動で破壊された構造物など資産、政府の差し押さえ、政治的理由による国や取引企業の不払いなども引き受けている。保険会社は、毎年700-800Mドルの政治リスク証券を販売している。
保険を売っているのは、AIG, ズリック(スイス)、Aceといった世界の損保大手である。

政治リスクに対する急激な関心は、開発途上国に進出した国際企業の方向転換を示している。こうした会社は、従来世界の果で商売をするリスクは自前で負ってきたのだが、昨年のタイ、最近のチュニジア、エジプトの騒擾によって事態を評価しなおす傾向にある、とフリーリ氏。
「人々の眼は開発途上の市場とその危険について、より大きく見開かれていますね。」と氏。最近の情勢と「中近東の他地域での小競り合いとかで、皆再検討をしています。」

政治リスクを引き受けている保険会社によれば、エジプトのロスは、今のところ比較的軽微である。政治リスクの最も大きなクレームは、政府の外国企業の資産凍結・差し押さえなど、或は貨幣価値の暴落の為、外国企業への負債支払いが不可能になる、など極めて重大な事由によるものである。
Ace社の経営責任者エヴァンス・グリーンバーグ氏は、エジプトが石器時代に戻らない限り、大きなロスは無いとの見解を述べた。 「イランみたいな状態になれば別ですが、現在の見通しでは、あまりそうなりそうも無いですね。」と分析官と投資家達を交えた先週の会議ネット電話では、そう述べた。

事実、そうしたリスクを引き受ける保険会社は、政治リスク保険に新たに注がれる関心から恩恵を受けているかもしれない。アスペン保険会社の創業者であり最高経営責任者のクリス・オケイン氏は火曜の電話会議で引き受け要請が多くなれば、保険料も高くなると述べた。ただしエジプトの流動的現状では、その方向は考えていない、と。
「これが他国に飛び火する可能性はあります」と氏は述べた。「誰も燃えている建物には保険を掛けませんからね。」――

実は最後の部分が保険会社のホンネだろう。保険は本来賭け事を避け、有り得るリスクをヘッジすると考えられてきたが、営業する方から見れば、サッと証券を売り(殆ど一年物)、リスクが現実になると見るや、サッと引っ込めるか、べらぼうな値段にする、その手際の良さが大きな利益に繋がる。ゲームの上手い達人が育つのも無理はない。保険が金融と同義語になるのはこうした時である。

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